2015年10月20日火曜日

米国運輸省で全無人航空機登録義務付けの動き

19日米国運輸省DOTは無人航空機の登録システムを年内に検討し開始すると発表しました。個人、趣味用に関係なくすべての無人機機体を登録するということ。

DOT website screenshot.

発表会見のビデオです。
https://youtu.be/ohkIMnImhE8?t=9m44s

今年のクリスマス商戦までのとても速いペースで実施との意向です。機体を登録することにより、操縦者を特定できるようにすることが目的と強調されています。

会見で後ろに並んでいるのは関係団体の各代表。模型飛行機団体であるAMAの会長もおり、無人航空機連盟(AUVSI)の代表の次の2番目に賛同を述べていました。

今のところ米国FAAの航空法では業務用飛行とそれ以外が区別され、業務用はルールが整うまですべて禁止、必要な場合は例外申請をするとなっています。今回のこの機体登録はそれとは関係なく操縦者の規制を行ったりするものではないようです。あくまで登録であり、審査に基づいて許可ということではないようです。(機体に自分の名前を書いておくのと同じレベル?)
ラジコン模型もすべてが対象かどうかははっきり述べておられず、何らかの基準が作成されるようではあります。とはいえ、登録内容、手間・難しさなど不明点が多くあります。

日本にも波及してきそうな気がとてもします。国内ではAMAや英国のBFAのようなラジコン模型の団体さえ存在しないので無茶な話になりそうで心配であります。(現状の航空法施行規則のパブリックヒアリングを見ても、例外申請には図面か複数の写真の添付など手間を増やすだけのものが多く見られます。)

ちなみにこの会見では、記者からの質問が既存のFAAの規制との違い、ホビーユースの扱いなどとても的を得ているものが多いのに感心します。

2015年10月2日金曜日

航空法改正に伴う施行規則の問題について

航空法の改正が平成 27 年9月 11 日に公布され、ラジコンも対象となり大きな影響があります。
国土交通省から無人航空機(ドローン・ラジコン等)の飛行ルールとして以下のウェブサイトが用意され、概要を確認できます。
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html

関連してその航空法改正の具体的な条件や数値にを決める施行規則案が出され、パブリックコメント、一般の意見の公募が行われています。電子政府e-Govとしてインターネットで確認できます。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155151218&Mode=3

いわゆるドローン対策ですがラジコンも区別されておらず同じ無人機扱いになり巻き込まれます。内容を確認の上、パブリックコメントへの反応をお勧めします。

200g以上の機体が規制の対象になります。事件を起こしたBebopドローンが400gでそれなりに長距離飛べてしまう機体なので、これを規制に含めるためにはこれくらいの値になってしまうのではないかと思います。(米国FAAでは超軽量機の例外は将来検討で、まだ無かったと思います。)

私の見たところ大きく以下の影響があります。

  • どこの場所でも最高高度が150mまでとなります。
  • 人口密集区域での飛行が禁止されます。
  • 日中のみの飛行となり夜間が禁止されます。
  • 人または物件から30mを保って飛行すること。

現在は最大高度は航空法で定義される進入表面等、航空路など(大雑把に書きます)にあたらない場所であれば250mまででしたが無条件に150m以上は禁止となります。
グライダー、大型スタント機のパターンなど合法的には飛ばせないことになります。
(米国FAAは実は120mまでで、ラジコン団体のAMAもそれ以上は飛ばすなといっているのですが、実際どのようにしているのかは不明です。)

人口密集区域は’国勢調査の結果による人口集中地区’と定義し、そこのでの飛行は禁止されます。具体的な地域は上で最初に紹介したページからのリンクで確認できますが、このスクリーンショットのようになります。河川敷を含めて赤の部分は飛行できません。公園での早朝飛行なども違法となってしまいます。


例外のためには許可を得るために申請を出す必要があるとなっています。その申請内容案も提示されています。業務ではない場合は最長で3ヶ月の許可しか下りないようです。飛行する操縦者無人航空機の特徴(写真、図面など)、飛行経路などの提出に加え、機体の性能・機能の要件も入ってきます。鋭利な突起物の無い構造であることや無人航空機を飛行させるものが燃料・バッテリーの状態を確認できることなど普通のラジコン機じゃだめだろう思われる条件も入っています。クラブや大会で申請を出すこともできるとは思いますが、大変そうです。

締め切りが2015年10月15日とすぐなのですが、コメントを送ろうかと考えています。航空法改正自体はもう施行されたので、だめといって止める段階では無く、パラメータの調整だけになりますが影響を減らすためには以下のような妥協しか思いつきません。

  • 最高高度は現状どおり進入表面、航空路の影響が無いところでは250mにする。
  • 人口密集区域は飛行禁止を、人口密集区域内であっても人または物件から30m以遠、上空以外は対象外とする。公園、河川敷などを想定しています。
航空法改正概要