2012年5月23日水曜日

マルチコプター用のESCの書き換え

ESCのファームウェアを書き換えてレスポンスを速くし、マルチコプターの安定をよくするということができます。もともとドイツのquax氏が作成してHobbyWing 6Aなどで動かしていたブランチをsimonk氏がマルチコプター用に改良しているようですね。
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OpenPilotでのRapidESCとしてのまとめ

FCからESCへのPWM入力から出力までの遅れを最小限にし、よりスムーズな制御をしようというものです。実際にこれに置き換えるとMultiWiiのP値をより高いものにできます。またモーターのPWM周波数も高くなるので8kHzの耳に障る音もなくなります。マルチコプターでは邪魔なオートカットも無し、スロットル範囲の設定も楽です。

普通のESCと比較してどれくらいレスポンスがよいかはこちらのビデオがよくわかります。



HobbyWingなどのメジャーなESCのMPUはSiLabに切り替わっているので書き換えられません。まだATMEL AVRベースのものがあるのでそれを選んで書き換えます。どのESCが書き換えできるか、またどのファームウェアを使うかは上のRapidESCのデータベースにまとめられています。
お勧めはHobbyKingのF20, F30のシリーズ。N FETを使っており外部クロックが省略されておらず安定して動きますし、なにより書き換えるためのパッドが付いているのでお勧め。今まで20, 30Aを12-16個ほど書き換えました。


書き換えるにはUSBASPアダプタを使います。パッドへの接続は適当なピンコネクタを曲げて形をそろえてアダプタを作ります。


パッドの場所がわかっているので、ESCの被服を一部剥いて露出させ、しっかりとアダプタを当てて書き換えます。書き換えのソフトもAVRDUDEでもいいのですがKK multicopter flashtoolもサポートをはじめたので楽です。書き換えのときの給電は5V受信機電源をESCの電源線につないでいます。ショートしたりファームを間違えて変な動きをしたときに焼いてしまうのを少しでも防ぐためです。



慣れれば流れ作業でひとつ1分で書き換えられます。どうしてもパッドへの接触が悪いので書き込みエラーが出たり、思わず余分なフューズ書き換えまで起きたりと注意は必要、書き込みのログの確認は必須です。もちろん手間をかけてきちんとハンダ付けしてから書き換えるほうが安心ですが。

書き換えなくてもレスポンスの速いESCもあります。ビデオの最後に出てきたXP12aというのがそれです。入手してクアッドのひとつに使っていますがいい感じです。マルチコプター用として500Hz ESCとかうたっているものはうそ。単に速いPWMでも誤動作しないだけでレスポンスが速いわけではないです。

先日作ったマルチコプターのキット、付属しているESCのマニュアルがないのでオートカットの設定さえできません。いつか墜落するので要交換です。

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